Friday, May 20, 2011

安楽椅子 Best Chair


事件の内容を話す麗子に向かって、「失礼ながらお嬢様の目は節穴でございますか」などの暴言を吐きながら、鮮やかに謎を解き明かしていく影山の名推理。麗子の上司、風祭警部も含め、キャラの立ちまくった主人公たちと、ユーモアあふれる会話の面白さ。東川さんがこれまで発表された小説は長編なのに対し、この作品は連作短編集になっていますので、ミステリーを読み慣れていない人たちでも、読みやすいのだと思います。また影山はいわゆる「安楽椅子探偵」で、話のほとんどを現場に行かずに、麗子が事件のあらましを話して会話を進めながら犯人に迫っていくという構成なので、読者が謎解きに参加しやすく、楽しめるのではないでしょうか。

--作品が生まれたきっかけは?

女性の初代担当者は、「館島」(東京創元社)を読んで東川さんに会いに行ったといいます。女性が主な読者である小説誌「きらら」に掲載する作品をと言われ、東川さんは、これまで以上に女性読者を意識され、またミステリーを読み慣れていない人へ向けた作品を考えました。そして、東川さんはテレビで見た執事喫茶のニュースを思い出し、執事が安楽椅子探偵、お嬢様が新米刑事という設定でいくことになりました。--- 続きを読む


No comments:

Post a Comment